とある生徒の話

ある(元)塾生の話をしたいと思います。

Aさん(仮名)は中3の夏休み前に入塾しました。

勉強習慣がついておらず、志望校合格には50点近くアップが必要でした。

夏休みは塾で授業以外も強制学習。

1日の学習時間は毎日書かせて教室に掲示。

他学年の生徒も見えるようにしました。

しかし、夏休み明けの診断テストでは成績は上がらず。

2学期からも週5で塾。

冬休みも塾。

しかし、上がらない成績。

「今の成績なら間違いなく受からない。志望校はここのままで大丈夫?」と本人に聞くと

「はい、このままいきます。あの高校にどうしても行きたいです。」

私「もう、後がないから死ぬ気で勉強するしかないよ」

Aさん「はい、死ぬ気でやります」

そこから、Aさんは明らかに変わりました。

表情が変わりましたし、スイッチが入りました。

言葉からも熱い思いを感じ取れるようになりました。

何度言っても、何度練習させてもできなかった”字を丁寧に書く”ということも出来るようになってきました。

そして、入試本番で見事入塾当初+約50点を達成し合格することができました。

Aさんの本気スイッチが入ったのは中3の冬休みでした。

スイッチが入ってからの知識の吸収スピードは、今までの3倍速ぐらいあったように感じます。

では、中3の冬休みから勉強すれば良かったのか?

答えはNOです。

Aさんは、夏休みに1日10時間前後の勉強をしています。

2学期以降も週5の塾で学校の宿題以外の勉強を約3時間半しました。

学校の宿題を合わせると・・・もっと時間は増えますね。

勉強体力、集中力が培われ、勉強することが当たり前になっていったのです。

加えて、冬休みまでに知識を少しずつ頭に入れていました。

そのおかげで本気になった3学期にうる覚えだった知識を一気に頭に入れ、実践問題を積むことで学力を上げていきました。

心の底から「ヤバい」と思い、本気で自分から勉強したのは3学期だけだったかもしれません。(それまでは、勉強をやらされているという気持ちがどこかにあったと思います。)

Aさんには夏休みからの積み重ねた貯金がありました。

勉強習慣は、なかなかつきません。

成績はすぐには上がりません。

しかし、地道にやれば花が開く。

それを教えてくれた生徒です。

Aさんの卒塾後の言葉です↓

「強制されていなかったら勉強なんてしていなかったし、塾に自分から行くことはなかった。合格することはなかった。」