香川県の公立高校入試問題分析(2017年度~2021年度の入試問題の分析)

各教科の分析と対策

[国語]

香川県の公立高校入試問題国語の大問数は4題です。(小説、古文、文章問題、課題作文)

問題1の小説は登場人物の心情の読み取り、行動の理由などを問う問題、10文字程度の穴埋め形式の問題、文章理解が出来ているかを確認するため60文字程度の記述問題などが出題されています。また、文章中の漢字の読みが問われます。漢字は、基礎的な問題が出題されています。

問題2の古文は歴史的仮名遣い、口語訳、内容理解、会話文に関する問題がよく出題されています。

注釈もついており、基礎的な問題が出題されています。おおまかな意味が読み取れること、文章が主張していることを解釈できる力が必要で、細かい古典文法の知識がなくても解ける内容になっています。

問題3の論説文は文章理解、段落構成、文法問題、言葉の意味、文章中のカタカナを漢字にする問題などが出題されています。また、字数指定がある記述問題も頻出です。(70字、50字、30字など字数は年度によってバラバラです。)

問題4の課題作文は2021年は「若者言葉」、2020年と2019年は「クラスのスローガンを選ぶ」、2018年は「クラス目標を表す言葉」、2017年は「後世に伝えたい言葉」と言葉に関連する問題の出題が続いています。字数は150字程度ですが、2021年は250字程度と字数が増えました。条件や注意が書かれており、聞かれていることに的確に答える力が必要となります。課題作文の配点は8点(50点満点中)と非常に高く、点数に大きく影響を与えます。学校や塾の先生に何度も採点してもらい、確実に点数が取れるようにしましょう。

[数学]

香川県の公立高校入試問題数学の大問数は5題、小問数は23問です。大問1は基礎的な計算問題中心の出題です。

大問2は図形問題、大問3に確率、資料と整理、関数など、大問4は規則性の発見など思考力を問う問題、大問5は証明が2問出題されています。また、解法の過程を書く問題も2問出題されております。難しい問題は後回しにするなど時間配分を考えながら解く必要性があります。

難易度は基礎レベル~標準レベル中心ですが、やや難しい問題もあります。数学が苦手な生徒は、簡単な問題を確実に取れるように勉強し、難易度の高い問題には手を出さないのも1つの手だと思います。

*香川県の出題傾向から特に勉強したいこと

・計算問題・・・毎年出題されています。基礎的な問題中心ですので、どんな問題が出題されても解けるように勉強しておきましょう。

  • 関数・・特に二次関数は毎年出題されています。一次関数との融合問題は頻出です。
  • 確率・・・樹形図を書き、丁寧に数を数えると解ける問題が多いです。
  • 証明・・・2問中1問は比較的解きやすい問題が出題されることが多いです。苦手な人も、1問は出来るように頑張りましょう。
  • 図形・・・毎年出題されています。公式の確認は必須です。中学校の内容に加え、小学校で学習する三角形、台形の面積などの公式も忘れている人は確認しましょう。

[理科]

香川県の公立高校入試問題理科の大問数は第1分野(化学・物理)から2題、第2分野(生物・地学)から2題です。さらに、大問の中にも2~3単元の小問があります。

問題傾向は、

・語句記入問題・・・基本的な問題中心の出題です。細かい用語が出題されることはほとんどありません。

・短文記述問題・・・5~10問程度出題されています。実験の目的や、理由、事象の理由などを説明する力が求められています。用語の暗記だけではなく、なぜこのような結果になるか、操作を行う理由などを理解し、自分の言葉で説明できるように学習しましょう。

・計算問題・・・化学反応の反応後の質量や質量パーセント濃度に関する問題、電流、エネルギー問題など幅広く出題されています。内容は、少し考えなければいけない問題から、基礎的な問題まであります。

その他、記号選択式問題、グラフの作成問題などが出題されています。

*香川県の出題傾向から特に勉強したいこと

  • 化学反応式(イオン式)・・・毎年出題されています。基礎的な式はすべて間違わずに書けるように勉強しましょう。
  • 電流・・・特にオームの法則を使った問題は毎年出題されています。
  • 力学的エネルギー、仕事とエネルギー・・・毎年出題されています。内容理解、計算問題を繰り返し練習しましょう。
  • 植物の体のつくりとはたらき・・・毎年出題されています。動物の体のつくりと働きも頻出です。点数が比較的取りやすい単元です。光合成と呼吸や植物の特徴、動物の分類などはよく理解しておきたいところです。

[社会]

香川県の公立高校入試問題社会の問題数は47問(大問は地理、歴史、公民の3つ)です。

問題傾向は

・語句記入問題・・・基本的な問題が中心です。一般的な用語集で最重要とされている言葉が出題される頻度が高いです。細かい用語は、ほとんど出題されていません。

・短文記述問題・・・使用する言葉の指定あります。出来事や用語の意味、背景、目的、影響などを説明させます。

記号選択式問題・・・用語に関し具体的な例を選ぶ問題(効率・公正や請求権の具体例を選ばせるなど)、事象が発生した時期を選ぶ問題などが出題されています。また、データの読み取り、そこからわかることを選ぶ問題は頻出です。特に、割合を使った計算は出来るようにしましょう。

*香川県の出題傾向から特に勉強したいこと

  • 不況について・・・不況の時に政府が行うことなど。
  • 円高、円安。
  • 需要・供給の仕組み、需要供給曲線。
  • 第一次世界大戦~1990年頃までの流れ。
  • 幕末~明治初期の流れ。
  • 戦い、戦争が起こった時期と原因、結果。
  • 地形図・・・2万5000分の1の地形図において定規で計測した長さから実際の距離を求める問題は5年連続出題されています。地図記号、地形図に関する理解、演習。
  • 時差・・・特に、日本と西経にある場所との時差を求める問題の出題が多いです。
  • 都道府県の場所、県庁所在地の暗記。
  • 雨温図の読みとり。

[英語]

香川県の公立高校入試問題の英語は、聞き取り問題1題、会話文読解問題1題、長文読解問題2題、英作文1題で構成されています。聞き取り問題(リスニング問題)は50点満点中12点となっております。内容は、標準レベルですが、最後の問題は少し長い文章を聞き取る必要があります。

会話文読解問題は、(  )に当てはまる言葉、強く発音される場所を選択肢から選ぶ問題、和訳にあうように(  )の中に適する問題を答える問題という構成が続いています。

長文読解問題は大問3が9問、大問4が8問で構成されています。そのうち、「(  )の中に当てはまる語は、本文の内容からみてどれか。記号で答えよ」という問題が5~6題、問4は本文の内容にあうものを2つ選べという問題が出題されています。その他、並び替え、日本文を英文に直す問題、英単語を適する形に直す問題など様々な問題形態が見られます。

文法の確実な理解、基本的な文章は書けるようにすること、短時間で長文を読み、内容を理解したうえで問題に取り掛かる必要があります。英語の長文は、教科書に出てきたものでも、注釈を書いてくれていることもあり、内容把握は難しくありません。どれだけ早く内容が掴めるかが大切です。

英作文は4文(一文は5行以上)で書かせるものが出題されています。2017年~2020年は「日本の伝統的なものや行事を選択肢の中から選び紹介する」という問題が続きました。2021年は、問題傾向が変わり「情報を得る手段としてインターネットと新聞のどちらが良いか」というテーマに変わりました。2022年度以降、自分の意見を書かせる問題が続く可能性があります。

AとBのどちらが良いか(好きか)という文章を書き、学校や塾の先生に添削してもらうと良いと思います。

(例:夏と冬のどちらが好きか。制服に賛成か反対かなど。)

香川県公立高校受験の概要

香川県の高校入試(一般選抜)は、学習記録の評定(220点満点)と当日の入試結果(250点満点)の2項目で評価されます。

学習の評定は、

1・2年生は各教科1倍、3年生は英語・数学・理科・社会・国語は2倍音楽・体育・美術・技術家庭は4倍されます。例えば、中1~中3まですべての教科オール3だったとすると、学習記録の評定は下記のようになります。

中1の内申点

中2の内申点

中3の内申点

英語

3

3

6

数学

3

3

6

理科

3

3

6

社会

3

3

6

国語

3

3

6

音楽

3

3

12

体育

3

3

12

美術

3

3

12

技術家庭

3

3

12

合計

27

27

78

全ての合計=学習記録の評定

中1~中3までオール3の場合は学習記録の評定は132点になります。

評定は、定期テストの点数に加え、授業態度・意欲・提出物の出来などを総合的に判断し決定されます。

(中学3年生の2学期までの成績が合否材料として使用されます。)

なお、当日の入試結果、学習記録の評定の両方でそれぞれ順位がつけられ、どちらかが定員からはみ出ると不合格になる可能性が出てきます。例えば、中学生活すべてでオール5だとしても、本番の入試で点数が取れなければ不合格になりますし、本番で250点満点を取ったとしても、学習記録の評定が非常に悪ければ、不合格になる可能性もあります。

中学1年生の頃から、内申点を意識し出来る限り良い評定を取ることで、中学3年生時の進路選択の幅も広がっていきます。ただ、内申点が良いからといって安心して、受験勉強をしなくなると不合格になる可能性があります。受験の点数、内申点両方良い人が志望校に合格しますし、どちらかが悪いと、中学3年生の春に泣くことになります。

やはり、中学1年生の時からコツコツ頑張ってきた人が強いですし、有利です。

ただ、勉強は頑張り次第では逆転は可能だと考えています。もし、このホームページを読まれている方が「今まで勉強してこなかった。やばい・・・。」と感じているのでしたら、今(今日)から勉強するべきだと思います。「やばい」=コツコツ頑張ってきた人と差ができています。現時点では不利なのです。この先、勉強しないと、さらに差が開いてしまいます。このホームページをご覧になった方が、中3の春に笑顔で志望校の合格通知を受け取っていることを願っています。