塾長のねがい

私は学生時代、勉強が苦手でした。
友人が5分で覚える英文に、2時間もかかっていました。
また、学校の50分授業は、とても長く感じました。
最初から最後まで授業に集中できたことは、数える程しかありません。
集中力がない私の経験から、かめ塾の授業時間は、集中力を維持できる40分間としています。
「私は亀だ。でも、亀はうさぎに勝てる」
ということを信じて、コツコツと勉強してきました。
そして、
「勉強が苦手な人に、できることの喜びを伝えたい」
「希望する学校に、進学させてあげたい」
「そのために必要な学力を、つけさせたい」
という熱い思いから、教育職に就きました。

私は現在34歳ですが、塾講師・家庭教師・高校教師と、これまで約16年間、教育に携わっています。
教育者としては、私はまだまだ新人の部類に入ります。
ところがそんな新人でも、ずっと気になってきたことが3点あります。

まず1つめ。
教師や講師は「教えることが大好き」なために、むしろそれが悪い方向に行く場合があります。

子供に勉強に教える立場の人は、多くは共通して教えることが大好きです。
それは、私も同じです。
ですから、生徒が「わからない」と言えば、即座に「これは、こうやるんだよ」と教えてしまうことがあります。
また、計算が間違っていると気付いたら、やはりすぐに教えてしまうのです。
すると生徒は、わからない=先生に聞けば解決できる、と思いこんでしまいます。
その結果、生徒は、自分で考えることをしなくなってしまう、ということになってしまっています。

次に2つめ。
1週間分の宿題を、1日で「こなし」ただけで、勉強をやった気分になっている子供は多いです。

勉強が大嫌いな子供に対して、家庭学習の習慣をつけるのは容易ではありません。
実は指導する側も、
「週1回の授業を受けただけでは、成績は上がらないだろう」
と薄々感じていることが、多々あります。
先に書いたように、1週間でやるべき勉強を1日で終わらせているだけでは、学習習慣に結びつかないからです。
しかしアルバイト講師からは、「通塾回数を増やしてほしい」とは、なかなか切り出せません。
回数を増やすと、授業料が上がってしまうからです。
またその一方で、塾業界では、「営業ノルマ」が厳しいこともよくあります。
現状では成績が上がらないような時は、これはチャンスとばかりに授業をたくさんとらせて、儲けようとするわけです。
ところが、生徒が受け身の学習ですと、いくら授業を増やしても、成績は上がらないままです。
結局、無駄にお金が消えてしまう、ということもあるのです。
これが、現実なのです。

そして3つめ。
子供たちは、テキストやプリントを埋めることで、勉強した気分になっています。

大事なことは、「問題が解けること」です。
決して、「テキストを埋めること」ではありません。
そのためには必要なのは、「考えること」と「記憶すること」です。
ですから、たくさんの種類のテキストに手を出すよりも、同じものを繰り返して、「ここは完璧」という部分を増やしていくことが必要となります。
しかし多くの塾の場合、そこで使うテキストの種類は、本社から指定されています。
すると現実には、生徒はテキストを埋めるだけの作業に追われてしまうのです。
ここでは、生徒の能力は関係ありません。
これは果たして、学習といえるのでしょうか。

私自身は、1年間という短い期間ですが、不登校傾向がある高校生と向き合ってきました。
コミュニケーションの重要性、つまり、お子様の性格や考え方を知った上で指導することが最も重要であると、その時に身を持って感じました。
かめ塾は、小さな個人塾です。
生徒たちを、私自身の弟・妹だと思って指導します。
性格や考え方を知った上で、厳しくも暖かい指導をします。
また、入塾学力テストは行いません。
その代わりとして、保護者様やお子様との面談を行っています。

塾は、無理に行くものではありません。
もし、「この先生と勉強するのは嫌だ」と思えば、退塾していただいてかまいません。
なぜなら、嫌々塾に通っても、成果は出ないからです。
お子様と講師の、「成績を上げたい」という思いが合致して、さらにお互いに全力で取り組むことで、初めて成果が見えてくるものだからです。

~かめのように遅くても、努力ができる子供~
  ……いつか、うさぎに勝たせてあげたい!!

もし、ご縁があるならば、一緒に頑張りましょう!!

かめ塾 塾長  島 千恵子